【回復期病院】作業療法士の仕事内容とは?仕事の本音を教えます。
作業療法士という仕事は、分野や領域によって個別性があります。
現在、僕は3年目の作業療法士として、回復期病院で働いています。
今回は、作業療法士の仕事内容について、実際に僕の1日をご紹介していきたいと思います。
作業療法士を目指そうと考えている方や、就職先に悩んでいる作業療法学生の方は、是非参考にしていただければと思います。
作業療法について知りたい方は、まずこちらの記事から。
※理学療法士および作業療法士法の守秘義務に順じて、個人情報や勤務先の情報が特定されない範囲でご紹介します。
目次
作業療法士の1日の流れ
朝のミーティング
朝はまず、訓練室やスタッフルームの掃除を10分程度行います。
作業療法では、訓練で物品を使用する事も多いため、拭き掃除や整頓を中心に掃除を行います。
その後、理学療法士(PT)言語聴覚士(ST)作業療法士(OT)全体で朝礼を行います。
続けて、
OTでのミーティング
配属チームでのミーティング
配属病棟でのミーティング
と、ミーティングの嵐になります。
それぞれで必要な情報共有を行い、漏れを防ぐように努めています。
後は、朝の間に自分の担当患者さんや、訓練を行なう患者さんの情報をカルテから拾っておきます。
夜眠れているかなどの体調や、特別な出来事が無かったかなどはリスク管理に繋がるので、とても大切です。
臨床場面
作業療法士は、基本的に単位制で報酬を得る仕組みです。
一単位は20分で、回復期病院では患者さん一人に対し、平均2〜3単位を目安に作業療法を行います。(患者さんにより、その限りではありません)
回復期病院の作業療法士は、おおよそですが、午前は7〜8単位、午後は10〜11単位の訓練を行なっています。
訓練と訓練の間には、数分ほど間が空きます。
この間にカルテを記載したり、次の訓練の準備をしたりします。
凄い忙しそうに感じますが、慣れれば割と余裕を持って動けます。
訓練自体は、患者さんや治療の内容に合わせて、リハビリ訓練室・病棟などで行います。
リハビリ中には、患者さん同士が声を掛け合っていたり、セラピストと冗談を交わしたりと比較的明るい雰囲気です。
ですが、もちろん中には辛い気持ちが大きく、精神的に落ち込んでいる患者さんもいますので、状況に合わせて、場所や訓練を決めていく必要があります。
作業療法は、
- プラットホーム
- 机
- 和室(畳間)
- 台所や洗濯場など、家事の練習が行える場所
など、様々な環境で患者さんに合わせた訓練が行えます。
昼休憩
昼食は、社食の人がほとんどです。
昼食をとった後は、人それぞれですね。
談笑する人、スマホを使う人、業務をする人、勉強する人。
僕は、少しだけ文献を読んで爆睡しています。
セラピスト側の、介助や運動負担はPTに比べれば少ないですが、それでも体が資本。
午後の方が臨床が長いので、しっかり体を休めるために昼寝をするスタッフは多いです。
臨床後の業務
臨床が終わった後は、チームミーティングとカルテ記載を行います。
特に他に仕事が無い場合は、そのまま定時で帰宅。
残業がある場合は、各業務を行います。
また、次の日が休みの場合には、担当患者さんの申し送り表を作成しておきます。
仕事の本音
ここからは、作業療法士として働いている中で思う、仕事の本音をぶっちゃけていきます。
良いところも悪いところも包み隠さずお伝えしましょう。
後に悪い面を伝えると、印象が悪く残るので、後半に良い面をご紹介します(笑)
残業が多い、ほんとに。
PTやSTに比べ、良くも悪くも領域が広いのが作業療法士の特徴です。
そのため作業療法士は、臨床以外で行う業務が多いと感じているスタッフも多いようです。
特に
- 患者さんの自主トレや自助具の作成
- 高次脳機能評価などの集計・入力
- チームや先輩後輩での話し合い
などが、地味に帰る時間を遅くしている気がしします…(笑)
ただ、入院患者が少ない時期には、臨床時間の中に業務を入れる事が出来るので、早く終わる時もあります。
大体ウチでは、PTはやる事をしっかりやって、すぐに帰宅したり勉強会したり。
OTと、人数が少なくて仕事量が相対的に多いSTが仲良く残業してる場面が多いです。
僕は、大体17:40〜18:30くらいの間が多いです。
仕事が丁寧な人や新人さんなどは、19時を過ぎる事も当たり前にあるようですね。
給料が安い、ほんとに。
職場や役職によりますが、若手の作業療法士の給料は本当に悲しくなります。
そりゃあ、自分一人の生活は出来ますが、家族がいる人は大変なようです。
リハスタッフの中で、既婚者の男性はほぼ共働きです。
昇給も雀の涙程ですし、結婚を考える時期になると悩みが増える方も多いようです。
比較的自由に働ける
作業療法士など、リハ職には“正解”がありません。先人の知識を基に、自分で考えて動く力が求められます。
裏を返せば、自分がしっかり考えを持った上で行動すれば、ある程度自由に臨床が行えます。
また、ライフワークバランスもそれなりに良い面が多いと思います。
僕の働いている職場は、365日体制なのですが、休日希望が9割以上の確率で通ります。
女性に優しい職場
誤解しないで欲しいのですが、男性に厳しい訳ではありません(笑)
作業療法士は、女性の多い職場になる事が多いです。
そのため、産休・育休に非常に協力的で、出産するスタッフの状況に合わせて、休暇や復帰時期を決定しています。
また、お子さんが体調を崩した際の急な休みにも、柔軟にスケジュール調整などを行なっています。
僕は男ですが、この事は本当に実感しますし、女性としては助かる部分ではないかと思っています。
仕事に生きがいを感じられる場面が多い
仕事はあくまで仕事。
どれだけ楽しいと言っても、「しないでいいならしたくない」と言う人がほとんどだと思います。
ですが、やはりこの仕事をしていてよかったと思得ることは、人生の充実に繋がります。
作業療法士は、患者さんとの関わりや自己研鑽の中で、そういったやりがいを感じられる場面が多いと感じます。
毎日なにかしらの変化が患者さんにはありますし、自分の出来る事も増えていきます。
なんだかんだで、作業療法士という仕事が好きで勤めている人は多いと思いますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
作業療法士の仕事は、領域や職場によって様々です。
生涯学習という面もあり、自分にあった職場に勤める事が出来れば、仕事に生きがいを見つけやすい職種です。
給料面での不安はありますが、将来の設計図の目処を立てながらであれば、普通の生活を送りながら充実した人生を過ごす事も出来ると思います。
ぜひ、作業療法士への就職を考えている方は、1つの参考にしていただけたらと思います。