ししとうブログ

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作業療法とは?作業療法士について分かりやすく解説!

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皆さんは、作業療法士という職業をご存知でしょうか?

 

聞いた事がある方や、将来の進路の一つとして考えている方も多いと思います。

今回は、作業療法や作業療法士についてご紹介します。

初めてお聞きした方は是非この機会に知っていただけるとありがたいです。

作業療法士になりたい人、気になっている人は、参考の一つとしてご覧になって下さい。

 

目次

 

作業療法の定義

作業療法士は、英語でOccupational Therapistと言います。

日本の医療業界でも、作業療法士の事をOTと略称で呼ぶ事が多いです。

でも作業療法って、名前からは何をするのか分かりづらいですよね。

 

日本作業療法士協会が提唱している定義では、

【作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。

とされています。

 

うーん……、分かるような分からないような。

いや、これだけを聞いても分からないですね(笑)

ご安心ください、少し噛み砕いて説明していきます。

 

作業とは

作業療法の定義が分かりづらい理由として、

そもそも「作業」って何を表しているのか分からない。

という事が大きいと思います。

 

先ほどの定義の続きにこんな文があります。

【作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。】

 

またまた抽象的な表現ですね(笑)。

実は、作業療法士の中でも、【作業】という概念については現在も議論されています。

幅の広い言葉故のデメリットだと言えます。

全く知らない方に理解して頂くために、簡単に説明すると、

作業とは、

人間が日常で行なっている全ての活動、行為。また、その中で、意識的・無意識的に関わらず意味のある事。

複雑に捉えなくて構いません。あなたが朝起きてから寝るまでにしている全ての事です。

 

具体的な項目として挙げると

基本動作(寝起き、立つ、座る、歩くなど)

セルフケア(食事・整容・更衣・入浴・排泄)

家事

仕事、学校

趣味、余暇活動

社会活動、地域活動、他者交流

など、全ての人が共通している事から、人それぞれの行為を示します。

それらの事を作業と捉えるのが一番分かりやすいかもしれません。

つまり、もし何の意味も価値も持っていない行為があるとすれば、ここで言う作業には当てはまりません。

 

作業療法とは

作業という意味が分かれば、作業療法も分かりやすいです。

大きく分けると二つの意味を持っています。

・人々の作業に対してリハビリを行なう。

作業が【目的】

・作業を用いてリハビリを行なう。

作業が【手段】

 

病気や怪我などで障害を負うと、その人らしい生活(作業)を行なう事が難しくなります。

そのような対象者の作業のために、作業を用いてリハビリテーションを行なうのが作業療法士です。

リハビリとして用いられる作業は、セルフケアや料理や洗濯などの応用的な動作から、物作りやレクリエーションなどまで含まれます。

 

ちなみに、リハビリテーション(rehabilitation)とは

re(再び)+ habilis(適した)の造語で、「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」という意味を持っています。

 

作業療法の分野

作業療法士が、他のリハビリ職種と違う大きな点は、

身体障害だけではなく、精神障害にも関わる職種です。

うつ病などの方は、辛い気持ちが続いたり意欲が湧がないことがあります。

そのために、仕事や学校に通うことが出来なくなったり、楽しみを見つけられないことに繋がる場合もあります。

 

障害や年齢に関係なく、その人らしい生活、作業が出来るように関わるのが作業療法士です。

年齢も関係ないため、発達障害を抱える小児から、高齢者までを対象としています。

 

作業療法士が働いている場所は、

病院(急性期、回復期、維持期)

デイサービスや訪問リハビリ事業所

老人保健施設、特別養護老人ホームなどの施設

などに加えて、

障害者職業センターやハローワーク

児童福祉施設

などの医療機関以外の場所でも活躍しています。

 

最近では、災害支援や自動車運転支援、知的障害などで犯罪を犯してしまった人への社会復帰支援など、実に多面的な分野で働けるのが特徴です。

作業療法士になってからでも、自分にとってやりがいのある分野を探せることは強みですよね。

 

作業療法士になるには

作業療法士は、国家資格の一つです。

そのため、専門の養成学校で3年、もしくは4年の修業年限を経て国家試験に合格した人が、晴れて日本で作業療法士として働けるようになります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

 

作業療法士として働いている、僕自身としては、作業療法士という概念自体が小難しく、世間に理解されづらい状況にあると感じています。

この記事を見て、作業療法士が人々の生活に近い職業である事を知っていただけると幸いです。