ししとうブログ

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認知症カフェってなに? 〜地域で支え合い、生きるためには〜

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突然ですが、認知症カフェってご存知ですか?

 

今の日本は高齢化が著しく進んでおり、

2025年には、5人に1人の方が認知症になると言われています。

 

 

大変な事ですよね。

 

 

そこで政府が対応策として2012年に策定したのが、

「オレンジプラン」です。

 

 

オレンジプランでは、

 

「認知症の人やその家族等に対する支援として、認知症カフェの普及などにより、認知症の人やその家族等に対する支援を推進する」

 

と述べられており、認知症カフェの設置が推進されるようになりました。

 

 

また2015年には「新オレンジプラン」が策定され、

「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で 自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」

 

というように、より地域に根ざした基本理念へと変化しました。

 

これによって、全国で認知症カフェは設立されるようになりました。

 

今回は、認知症カフェについての知識を皆さんにご紹介します。

 

目次

 

 

〜認知症の方、家族の生活〜

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在宅では、認知症の方とその家族が生活があります。

 

 

その中でも、本人の意欲低下や不安感に加えて、家族の介護疲れなど、両者にとって精神的負担を抱えるケースが少なくありません。

 

 

特に、徘徊行動などの周辺症状がある方の場合は、家族が心配し、家から出る機会が減ってしまいます。

 

家に閉じこもる事で、認知症の進行はもちろん、本人の生きがいの喪失にも繋がります。

 

 

住みなれた地域や環境で、認知症の方やその家族を支えてあげるシステムがあれば、

周りとの関係を断つ事なく、生きがいや希望のある生活に繋がるでしょう。

 

 

 

 

〜認知症カフェとは〜

 

様々な様式で、開かれている認知症カフェですが、主な概要としては

 

“1.認知症の人とその家族が安心して過ごせる場
2.認知症の人とその家族がいつでも気軽に相談できる場
3.認知症の人とその家族が自分たちの思いを吐き出せる場
4.本人と家族の暮らしのリズム、関係性を崩さずに利用できる場
5.認知症の人と家族の思いや希望が社会に発信される場
6. 一般住民が認知症の人やその家族と出会う場
7. 一般の地域住民が認知症のことや認知症ケアについて知る場
8.専門職が本人や家族と平面で出会い、本人家族の別の側面を発見する場
9.運営スタッフにとって、必要とされていること、やりがいを感じる場
10.地域住民にとって「自分が認知症になった時」に安心して利用できる場を知り、相互扶助の輪を形成できる場

(認知症の人と家族の会)より引用

http://www.alzheimer.or.jp/pdf/cafe-web.pdf

 

と報告されています。

 

つまり、認知症の方やその家族の交流の場に加えて、一般の方々や専門スタッフとの繋がりも持てる場所です。

 

 

 

〜カフェの場所、参加費、開催日時〜

 

認知症カフェは、基本的に少額(100円〜1000円程度)の参加費です。

場合によっては、無料で開催している事もあるようです。

 

 

開催日時は、ほとんどが月に1〜2回程度で行なっています。(第2第4火曜日など)

時間は2時間程度の場所が多いですが、長時間オープンしている所もあります。

 

場所は、コミュニティ施設や、介護施設、商店街の中などで、

運営者もNPO法人や介護事業所などの団体から、個人や認知症者家族など様々です。

 

 

 

〜カフェで行う事〜

認知症カフェの場所によって、内容は様々です。

 

大きく分けると以下の種類に分かれます。

 

・お茶を飲んで自由に過ごす

ゆったりとした雰囲気の中で、落ち着ける時間を過ごしてもらう事を重視しています。専門スタッフや、同じ境遇の方々と話をすることで悩みや不安感の解消に繋がることも多いようです。

 

・レクリエーションなど活動プログラムに参加する

誰でも取り組める体操や、歌や物作りなど、馴染みのある作業を行うことで、身体・精神・認知機能面の賦活を図ります。

場所によっては、料理をしたりする所もあります(前述した1000円ほど参加費がかかる場所は、このような材料費を含んでいるためです。)

 

・医療などの専門スタッフからの情報交換を行う

在宅で役に立つ情報などの提供を行っています。1人で抱え込むのではなく、周囲の人たちと共に学んでいくことが出来ます。

 

 

概要などは、認知症カフェのホームページに記載されていることが多いので確認してみるといいでしょう。

 

 

〜スタッフの職種〜

 

医療や福祉の職種だけでなく、民生委員や行政職員、家族会や地域ボランティアなどの多岐に渡るスタッフが関係しています。

 

そのため、様々な悩みや思いの相談が行える事もメリットの一つです。

 

 

〜参加するには〜

 

ほとんどが、事前申し込みなど無く参加出来ますが、ウェブサイトで確認しておくのが良いでしょう。

 

市区町村のホームページに、認知症カフェの一覧が紹介されている所も多いので、そちらを参考にしてみてください。

 

 

 

 

〜まとめ〜

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今回は、認知症カフェについてご紹介させていただきました。

 

 

社会や地域で、人が人を支えるという事がとても重要です。

 

 

認知症カフェは、認知症の方でも、その人らしく生きていけるための一つの手がかりになると思います。

 

 

自身の家族に認知症の方がいる人はもちろん、

周囲に悩んでいる人がいても、あなたが認知症カフェを紹介する事で、助けになれるかもしれません。

 

 

是非、たくさんの方に、認知症カフェについて知っていただけると幸いです。