運転免許自主返納のメリット、特典と手続きについて解説
運転免許証の自主返納が出来ることは皆さんご存知でしょうか?
1988年4月から高齢ドライバーの事故の多発が問題視されたことを受けて導入された制度です。
ですが、免許証を返納するという事のメリットを知らない方が意外と多いのが現状。
何のメリットも無いのに、免許証を返納しようとは思わないですよね?
自主返納は義務ではなく、あくまで個人の判断で行える制度です。
だからこそ、免許証を自主返納するメリットを知った上で、自分はどうするか考えて頂ければと思います。
運転免許証を自主返納しても、運転経歴証明書という代わりの身分証が貰える。
自治体や民間企業での割引特典が山ほど使える!
手続きは本人が、警察署もしくは運転免許センターで行う
目次
どんな人が自主返納するのか?
基本的に、運転免許証を所持している人であれば、誰でも免許証を自主返納することが出来ます。
つまり、
若年層であっても返納は可能なんですね。
実際、免許証を自主返納することが多いのは
高齢者で安全運転に支障が起こりうる人
高齢者で運転する事に不安を感じている人
怪我や病気で、今後運転が困難になった人
高齢者は加齢によって、運転に必要な判断能力が誰しも低下していきます。
生理的な変化であるため、自主返納する多くの人はこれに当てはまります。
怪我や病気で、免許証を返納する人もいますが、
- 先天性の障害で最初から免許を取っていない人
- 今後回復の希望があり、免許証を保持しておく人
などは該当しません。
身分証の代わりになる『運転経歴証明書』
運転免許証を自主返納するかどうかで悩まれている方が、よく気にされているのが「顔写真付きの身分証が無くなる」こと。
健康保険証だけでは確かに不便な場合もありますので、既に運転を辞めている人でも免許証を保持している事がよくあります。
しかし、実は運転免許証を自主返納した際に希望を出せば、年齢問わず
『運転経歴証明書』というものを貰う事が出来ます。
運転経歴証明書とは、
「今まで自動車運転をしていましたよ」という物で、身分証としての使用も可能なんです。
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/career_certificate.htmlより引用
かなり運転免許証に似ていますね…(笑)
このように顔写真も付いているので、免許証と同等程度には身分証として利用出来ます。
つまり、今後運転をしない方の免許証の自主返納に関して言えば、
特にデメリットが無い
というのが最大の特徴になりますね。
高齢者は運転免許証を自主返納すると割引特典が受けれる
ここが一番気になるポイントですが、
免許証を自主返納することで、様々な自治体や民間企業で割引特典が利用できるようになります。
これは、運転という移動手段が無くなっても、よりよい生活を続けていく事を支援するための制度になります。
各種都道府県によって、詳細なサービスは違いますが、
交通関係(バスやタクシーの割引)
百貨店や日用品店での割引
レジャー関係(ホテルや温泉などの割引)
などなど、数多くの特典を利用出来るのです。
一般的には協賛店の利用時に、先ほど紹介した「運転経歴証明書」を提示する事で割引特典を受ける事が出来ます。
(地域によっては、運転経歴証明書とはまた別のカードを交付してもらい、それを提示する場合もあります。)
ただし、この特典を受ける場合に限っては、年齢制限などが設けられている事がある(原則65歳以上)ので注意が必要です。
自分の住んでいる都道府県の警察署HPに、協賛店のリストや詳しい利用方法が掲載されていますので、一度確認してみるとよいでしょう。
免許自主返納の手続き
ここからは、免許証を自主返納する方法について少し解説していきます。
警察署か運転免許センターで手続きを
自主返納の手続きを行なっているのは、
警察署もしくは運転免許センターになります。
手続きに行く際には、運転免許証が必要になるのでお忘れないように。
代理人が手続きを行う場合には、
委任状や代理人の身分証明書が必要になります。
自主返納してから5年以内に運転経歴証明書を発行しよう
運転経歴証明書は、免許証を自主返納してから5年以内であれば発行が可能です。
つまり、「自主返納はしたけど運転経歴証明書の事を知らなかった」という方でも5年以内であれば間に合います。
これから、自主返納をされる方は手続きの際に合わせて、運転経歴証明書の発行申請をしておくのがよいでしょう。
免許証が有効で無い場合は手続き不可
ここまでご紹介した免許証の自主返納は、あくまで『現在有効な運転免許証を持っている方』の話です。
- 免許証が停止、取り消し、失効している方
- 免許証の有効期限が切れている方
は、手続きが行えませんので気をつけて下さい。
免許の取り消しや停止などでは、道路交通法により返納義務が課せられている場合があります。
義務による免許返納と、自主返納は別物です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
運転免許証の自主返納にはメリットがあります。
今後運転をしないという意向であれば、自主返納して恩恵を受けるというのが一番よいかもしれません。
また、ご病気などで今後どうなるか分からない方は、自主返納を一つの選択肢としておくのも良いかと思います。
医師の診断書があれば、免許の有効期限がいくらか伸びる場合もありますので、経過を見ながら決定していくとよいでしょう。
自主返納をされる場合には、事前に一度
ご自分の住んでいる都道府県の警察署HPにて、詳細を確認しておく事をおすすめいたします。