聴覚障害者標識とは?《 周囲の協力で不自由を無くすためには》
皆さんはこのマークを知っていますか?
【聴覚障害者標識』と呼ばれるもので、
2008年(平成20年)の道路交通法の改正に伴い導入されました。
〜どういう意味のマークなの?〜
勿論、名前の通り「聴覚障害」を有する人運転する際に使用するのですが…
内閣府のホームページでは、
聴覚障害であることを理由に、免許に条件を付されている方が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、義務となっています。
危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。
と、説明されています。
まず、免許取得の一つの規定として
補聴器により補われた聴力を含めて、10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる事が必要です。
しかし、上記の基準を満たさない人でも以下の条件を満たせば運転が行えるようになりました。
・車種の限定(普通自動車)※
・特定後写鏡(ワイドミラー)の設置
・聴覚障害者標識の掲示
※2012年(平成24年)の改正で、原動機付自転車、貨物自動車も解禁されました。
つまり、免許取得の基準を満たせない聴覚障害者の方が運転する条件の一つに、聴覚障害者標識の掲示があります。
なので義務として明記されているんですね。
〜なんで蝶のマークなの?〜
可愛らしいマークですよね。
これ実は、蝶の羽が両耳を表しているそうです。
(「蝶」と「聴」を掛けているという説も流れていますが、本来は上記の理由だけだったようです。)
俗称としては、「蝶マーク」という呼び方が一般的になりつつあります。
〜周囲の協力が必要〜
分かっている方も多いと思いますが、聴覚障害者標識を付けて運転している人は、周囲の音が聞こえません。
自動車運転において、聴覚情報は、
・自他両者の車体位置の認識(エンジン、走行音)
・音での合図の認識(サイレン、クラクション)
・ナビゲーション音声の認識
など多様な場面で使用され、危険管理に必要不可欠な情報です。
その情報が得られない、得られにくい状況です。
周囲の車が自分勝手な運転をしていると、聴覚障害のある方に必要以上の負担や迷惑をかける事は想像に難くありません。
車間距離を取るなど、当たり前の事でいいんです。
少しの気遣いや配慮が、相手の負担を減らす事に繋がるという事を知っておいて下さい。
〜耳マークは別物〜
聴覚障害者標識とは別に、「耳マーク」という物もあるんです。
耳に音が入ってくる様子を矢印で表し、一心に聞き取ろうとする姿を象徴したマークです。
聴覚障害者の方は、他人から見ると障害像が分かりにくく、誤解されたり不利益を生じる事が少なくありません。
目の不自由な人の「白杖」などと同様に、自己表示の為に考案されました。
聴覚障害があると分かっていれば、周りができることも増えますよね。
病院の受付などでは、筆談対応が可能だったりと公共施設でも取り入れられて来ています。
〜まとめ〜
聴覚障害者標識、耳マークともに、まだ世間に認知されきれていない現状があります。
身体的にハンディキャップを背負っている方が楽しく安全に運転を行うには、周囲の人間が理解し支え合う事が、自然に出来る社会環境が必要です。
一人でも多くの方にこの記事を見て頂けたら幸いです。